CDケースと社長を俺は許さない
あれ、いらなくないですか?
CDの歌詞カード取り出すときに邪魔なあれ、いらなくないですか?
こんばんは
くろです(@cro_cro_cro_cro)
さて、今日は音楽好きな有識者である皆様と徹底討論したい
私は音楽が好きでCDをよく買うしよく借りる
で、歌詞カードを見るのが好きなんですが、あれいる?あの歌詞カード出すときにガッてなるあれ。あれがあるとどうなるの?
『CDケースを開いた状態で歌詞カードが落ちづらくなるから歌詞カードが傷みにくくなる』
なんて事をいう輩には雪崩式ブレーンバスターです
どういう想定でケース開いた状態で歌詞カード落ちるんですかねぇ。こちとら歌詞カード取り出すたびにあの出っ張りに歌詞カードが引っかかって歌詞カードに蓄積ダメージが溜まっていってるんですが
毎ターン1/8ずつ歌詞カードの体力が削られていってるんですが
CDは好き。でも歌詞カード出すときにガッてなるあの微妙な出っ張りが嫌いすぎる。だれだ。あんな愚かなものを考え出したのは
CDの歌詞カードを出すときに引っかかるあの無意味な出っ張り
きっと作った人は音楽が嫌いだったに違いない。音楽が嫌いだったけど技術力はあった街工場の社長だ。貧乏な町工場だ
妻は一人息子が5歳の頃に肺炎で亡くなった。愛情表現が得意でない社長は日に日に息子と距離が離れてく事を身をもって認識していたが彼にはどうする事もできなかった。ただ優しく抱きしめてあげるだけですべて解決するのに彼にはそれすら理解できなかった
息子は中学に上がるが毎日日の出の前に家を出て、日付が変わる頃に家に帰る彼はもはや息子と二人で暮らしているとはとても言い難い状況が続いていた
家に帰ると息子は寝ている。もう何年息子が起きている姿を見ていないんだろう。こいつは毎日なにを考えてるんだろう。好きなものは。嫌いなものは。もうなにもわからなくなっていた
母親によく似た息子の手。彼はそれを見るだけで後悔からか罪悪感からかよく涙を流した
息子が高校に上がったとき、彼は気づいた。息子はどうやらバンドを組んでいるらしい
息子の枕元にはギターと作詞用のノートが置いてあった
つい昨日まで可愛い寝顔を見せていた息子はもうあどけなさが残るものの大人のそれと変わらなくなっていた
こいつはどんな音楽が好きなんだろう。どんな音楽を演奏するのだろう
息子の左手の指先は日に日に硬くなっていった
ある晩家に帰ると息子が起きていた
数年ぶりの息子との会話。息子の第一声は
「俺、東京でバンドやりたい」
今まで父親らしい事を何一つできていなかった彼には息子を止める権利なんてなかった
”同じ家に住んでいる”
そんな微かな繋がりすら彼は失ってしまった
それから何度目かの冬が来た
ある日家に帰ると夜中にも関わらず刑事さんが玄関前に立っていた
「あなた、東京に息子さんがいますね」
嫌な予感が全身を駆け巡った
聞くところによると東京で若者の死体が見つかったそうだ。そんなはずないと心で何度も言い聞かせた
見慣れない男の死体。見慣れた手
バンドが売れなかったのか。音楽が嫌いになったのか。誰かに騙されたのか
ついに息子がどうやって死んだかもわからなかった社長。町工場の社長
彼にはもうやりどころのない怒りを、罪悪感を音楽にぶつけるしかなかった
そんな中依頼が来たCDケースの作成
彼はせめてものやつ当たりで歌詞カードを取り出しづらくしたのだった
町工場の社長。許さん
CDも取りづらいときあるよね。あれも社長のせいだわ
マジ許さん
ていうか社長って誰?
メリークリスマス
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